ハーグ条約

外国から子どもを連れて帰国した方へ

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慣れない海外での生活、言葉の壁、パートナーとの価値観の違い、暴力、孤独。
あなたは、きっと、重い決断の末に、お子さんと一緒に日本に帰国されたのでしょう。
できるならば、このまま日本にいたいと思って、今、このホームページをご覧になっていますね。

あなたは、パートナーにどのような理由を伝えて帰国しましたか?
「少し、日本で休みたい」、「親の体調が悪いので様子を見に帰りたい」。
あるいは、何も告げずに、ある日突然、逃げるように帰国された方もいらっしゃるかもしれません。

そのような場合、外国に残されたパートナーは、あなたとお子さんが戻ってこないかもしれないということを知ると、大きなショックを受け、激しく怒るでしょう。そして、なんとしてでも子どもを取り戻したいと思うかもしれません。

彼は、自分の国の警察に駆け込むかもしれません。あるいは、子どもの返還を求めて、裁判起こすこともあるでしょう。もちろん、日本に飛んでくるかもしれません。

しかし、実は、彼が取りうる最も強力な手段は、ハーグ条約を使うことです。
ハーグ条約は、原則として子を元の居住国に返還することを義務付けています(ただし、条約締結国に限ります。2018年12月末の時点での締約国は99か国)。

外国に残された親が、ハーグ条約に基づいて、日本の裁判所(東京家庭裁判所か大阪家庭裁判所のいずれかです)に対し、子どもの返還の申立てをすると、裁判所は、6週間以内に子どもを元の居住国に戻すか否かの決定を下します。

ハーグ条約は、子どもを返還しなくてもよい例外事由(返還拒否事由といいます)をいくつか定めていますが、いずれもハードルは高く、簡単に認められることはありません。
あなたに対する暴力があったとしても、それだけでは子どもを戻さなくてよいということにはならないことに注意が必要です。

ようやく日本に戻ってくることができて、ほっとされているところかと思いますが、ぜひ、ハーグ条約のことをきちんと理解していただければと思います。

私たちは、ハーグ条約の案件を多数扱っています。
結果的に、お子さんと一緒に日本に残られている方も多くいらっしゃいます。

もし、外務省(領事局ハーグ条約室)か裁判所からお手紙が届いたら、必ず受け取っていただき、すぐにご相談ください。

まだ何も届いていなくても、今後のことが不安な方は、ぜひ、お話をお聞かせください。きっと気持ちが少し楽になることと思います。

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